ウカンムリ日記
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皆さま、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。守富環境工学総合研究所(Meel: ミール)は所長をはじめメンバー一同、おかげさまで元気に過ごしております。コロナ禍のなかにあって尽力してくださっている方々への感謝を胸に、これからも健康管理に気を配りつつ頑張ります。

さて本日は、昨年末に行いました「ミールの人間図書館、はじめます」という取り組みのリポートを!こんなに遅くなってしまいお恥ずかしいところですが、よろしければご一読ください。

人間図書館は、人物図書館とかヒューマンライブラリーといった言葉で表現されることもありますが、「人」を「本」に見立てるという発想が出発点です。本の表紙を開けばいろいろな物語が待っているように、人という本のなかにもさまざまな物語があるはず。ミールでは、まずはミールのメンバーの中から二人に本役になってもらい、それぞれの人生や暮らしの物語の一編、一章、一節を語ってもらいました。本の読者はそのほかのミールメンバー。所長(館長?)の挨拶から始まり、いよいよ1冊目の本役、Kiさんのお話です。

タイトル『ジャムおじさんの冒険』

Kiさんは大学卒業後、自動車業界でエンジニアをして、ご本人いわく「材料屋さん」と「生産技術屋さん」をしてきて、生産技術屋さんでは設計も経験。ものづくりは楽しい、という思いがありました。そしてジャム?!

実はミールメンバーは度々Kiさんお手製のジャム、すももや桃、夏みかんなどいろいろな種類のものをいただいています。そのお味はもちろん絶品。あっという間にいただいちゃうおいしさです。でも、どうしてKiさんがジャムづくり? そんな疑問をもちながらも深く聞いてきませんでした。「ジャムおじさんの冒険」という本、読者であるミールメンバー全員が入り込んでいきました。

目次は以下のとおり。 1.なんでジャム 2.ダイバーシティって大事かも 3.私の本棚から

実家で採れる大量の夏みかんをジャムにしようと思いついたところからジャムづくりに夢中になり、研究?実験?を重ねていったというお話から始まりました。今では作りやすい分量なども導き出し、ご家族の協力もあって次々と新作が。ジャムづくりに邁進するなか、やがて自然のなかでなる果実、植物への思いが膨んでいくと、これまで気づかなかったつながりというのでしょうか、世界観というのか地球感?に思いが至るようになったということのようです。植物も人間も全体のなかの一員といった感じ。多様であることの大事さも感じているとのこと。自分で植物に触れ、ジャムをつくり続けるなかで感じることなのでしょうね。最後にKiさんの好きな本をおすすめしてもらいました。ブライアン・グリーン著『エレガントな宇宙』 ジャムおじさんの冒険の世界の一端が、この本に結びついているのかもしれないですね。難しそうな本ですがKiさんという物語のつづきをこの本でも感じられるかもしれません!

***

2冊目の本役はNaさん。スタッフNとしてもおなじみで本ブログのブックトーク「読んでミール?」のブックトーカーもしています。無論、本好き。でも自身が本になるなんて!そういうNaさんのお話、楽しみ!

タイトル『そして音訳』

Naさんは人形劇、朗読、音訳と、言葉を声にして表す活動をしてきました。現在は朗読と音訳の二本立て。これは同じようにみえるけれども、微妙に違う。微妙というよりも、かなり違うことなのです。なぜかといいますと音訳は目の不自由なかたのために図書などを声でつくるものですから、声に感情や個性が入り込んではいけません。

目次は以下のとおり。 1.音訳とは? 2.音訳にいたる道 3.私の本棚から

お話はやはり音訳についての説明から。ミールのメンバーは知らない人がほとんどでしたので丁寧に伝えてくれました。音訳と朗読の違い。そこがポイントです。朗読と音訳の違いは、ナレーションとアナウンスの違いということ?といった読者メンバーからの言葉がありましたが、なるほどそのとおり!Naさんが音訳の道にいたるまでには、人形劇や朗読の活動があり、とくに朗読と音訳の両輪ですすむことにしたあたりは、Naさんならではの優しさや強さを感じます。一つひとつの経験がページをめくるように、音訳と朗読を一緒にやっていくという物語へと進んでいったのですね。締めくくりにNaさんの大切な本を紹介してもらいました。小さなお魚のお話、レオ=レオニ『スイミー』です。人形劇サークルで活動していた時の思い出の絵本。Naさんは「スイミー」役をしたそうです。

記念すべき初回ということで、朗読活動もしているNaさんに詩の朗読をお願いしました。長田弘さんの「世界は一冊の本」

とてもすてきな時間でした。

本役のお二人、本当にありがとうございました。

進行をつとめた司書役としましては「この企画、言い出したのはいいけれど、うまく進むのかなあ〜」と正直、心配も少しありました。でも、スタートしてすぐに安心しました。というよりもワクワクしました。

どうしてかといいますと、読者役のメンバーが黙っちゃいません。本役のお話の途中で質問やら合いの手やら、いろいろ挟み込んできまして・・・。脱線しながら広がりながら、物語の世界を行きつ戻りつ。そして、本役のご家族も同席してくださり、その温かなご支援もいい感じでした!じつは、質疑応答などという堅苦しい時間も設けてはいたのですが、それは不要でした。

本役(語り手)と読者(聞き手)がいて、一冊の本が生まれる。そんな読後感。お互いを知りつながっていく・・人と人のコミュニケーションというのは、そういうものかもしれませんね。またいつか開催したいです。

 

(スタッフC)

 

日頃は、守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)のホームページ、ブログ、ツイッターにご訪問くださりありがとうございます。所長の守富寛です。ミールはおかげさまで4月18日に開設2年という節目を迎えることができました。皆さまのご支援ご理解に感謝申し上げます。

今年はゴールデンウィークならぬ、我慢ウィークとも言われるGWが始まろうとしています。昨年の今頃は元号が変わるタイミングでした。令和という言葉の響きから、これから始まる新しい時代への期待を誰もがみずみずしく膨らませていたことを思いますと、今年と昨年では随分違うことに驚きます。

陽気に満ちた外なのに、心のうちは雲が占めています。私たちみんなに与えられた厳しい時を、みんなで乗り越えられることを信じたいものです。

今年の設立記念日のご挨拶に添えたい、英語のことわざを探してみました。

Every cloud has a silver lining.

liningは洋服の裏地で、「どんな雲にもシルバーの裏地がついている」という意味のようです。銀の裏地とは太陽の光のことでしょうか。

どんな雲にも向こう側には太陽が!雲を縁取るように見えるうっすらした光は、きっと、希望です。

困難な時も良い時につながっています。心は明るく、次の楽しみも考えて。

ともに頑張りましょう。コロナに負けるな!!

 

3年目のミールもどうぞよろしくお願いいたします。

 

守富環境工学総合研究所

所長 守富寛

 

(写真はスタッフN)

JR岐阜駅前に立つ黄金の信長像が昨日28日よりマスク着用開始!新聞記事によれば地上11メートルの口元に高所作業車に乗って係員がかけたマスクのサイズは縦18センチ×横30センチ。マスクは岐阜ファッション産業連合会が寄付したそうです!GW中、着用予定ですが、その後も洗って再利用してほしいですね。

さらに、岐阜市で医療従事者への感謝の気持ちを表すライトアップもこの日からスタート。夜には岐阜城や信長のいるこの広場が青色に照らされます。コロナに負けるな!!が最近の挨拶言葉になっている所長の誕生日も昨日の28日でした。願いが通じますように。

2020 年 3 月 29 日

読んでミール?vol.6 〜春〜

皆さま、こんにちは。

今日はミール風ブックトーク「読んでミール?」の第6弾をお届けします。

テーマは「春」。このところは新型コロナウイルスの感染拡大におびえて心身縮まる思いですが、一冊の本のなかへ旅して小さな楽しみ、救いや支えを見つけてみてはいかがでしょうか。

今回もブックトーカーふたりのこころの本棚から3冊ずつ、ご紹介します。

第6弾「読んでミール?」の始まり、はじまり。

 

Book Talker Naomi***

 

「春」と言えば「桜」ですね。桜にまつわる3作を選んでみました。

①辻村深月著
『ツナグ 想い人の心得』(2019)新潮社

以前のブックトーク、テーマ「人とのつながり」でご紹介した「ツナグ」という本、これは最近出版されたその続編です。
一生に一度だけの死者との再会を叶える使者「ツナグ」を引き継いだ歩美の7年後の話です。
待望の続編は私なりに色々予想していましたが、それを軽く超える驚きと感動の話ばかりです。その中でも今回副題になっている「想い人の心得」の話は、とても心に染みる秀作だと思います。
それは断られても断られても一人の死者への面会の依頼を繰り返す蜂谷という人の話です。
奉公に上がった先のお嬢様で重い喘息を患って16才で亡くなった絢子さま。
桜が好きで毎年春を待ちわびていたお嬢様に桜を見せたくて、蜂谷は40代から何度も依頼を続け、命も尽きようとしている85才でやっと会う事が叶う。
そして、美しくも気が強い絢子が桜を見て発した素直で可憐なため息…。
想い人が幸せな気持ちになることこそが、自分の幸せという究極の「想い人の心得」を学びました。

 

藤沢周平著
『山桜』 新潮文庫『時雨みち』(1984)に収録

この作品は藤沢周平の短編です。
ひと枝の山桜が縁で知りあった野江と弥一郎。野江にとって弥一郎は以前再婚相手にと持ち込まれた中の1人だった。婚家で辛い思いをしていた野江にとっては「もっと別な道があったのに…」と思わずにはいられない。
それが正義の為に刀をふるって捕まった弥一郎の話を発端に離縁する事になり…別な道へと歩きはじめる野江。
田中麗奈と東山紀之出演で映画にもなり、山桜のとても美しい映像が印象的に映し出されたのが目に焼きついています。
はかなげに見えて凛とした美しさを持つ山桜のような野江を応援したいです。

 

須賀しのぶ著
『また、桜の国で』(2016)祥伝社

1938年ポーランドの日本大使館に着任した外務書記生の棚倉慎の話です。
ナチスドイツ侵攻の緊張が高まる中、戦争回避にむけ奔走するも戦争勃発。
ロシア人の父と日本人の母を持つ慎は、見た目は日本人には見えない日本人。
その慎とドイツ生まれのユダヤ系ポーランド人、シベリア生まれのアメリカに国籍を持つポーランド人という奇妙な組み合わせの3人はドイツ軍が迫る中を逃げていた。
絶体絶命の中、2人を逃す為にオトリになろうとする慎。その時に3人で最後に交わした約束が「いつか必ず、3人で日本の桜を見よう」です。
平和の象徴のような美しい日本の桜。
それを夢見た若者たちの姿に心を揺さぶられます。
今の日本はコロナウイルスの影響でゆっくりお花見も出来ない状況ですが…来年までには平和な日常を取り戻し、美しい桜の下で楽しく語らう事を夢みながら今を頑張っていきたいですね。
桜にまつわる小説でも読みながら…。

 

Book Talker  Chie***

タイトルに「春」が入っている本を選んでみました!

アガサ・クリスティー著

『春にして君を離れ』(1973)ハヤカワ文庫

ミステリー作家として有名なアガサ・クリスティーが1944年にメアリ・ウェストマコットの名前で発表した作品で、非ミステリーに分類される作品のうちの一つ。あとがきによると、この話のテーマはクリスティーが何年もの間こころのなかで追い続けてきたもので、いざ取りかかると一週間で書き上げたと述べているのも興味深いところです。

主人公は弁護士をしている優しい夫と一男二女に恵まれ、良き妻、良き母として生きてきたと自負する女性ジョーン。結婚している二女の見舞いのために訪れたバグダットからイギリスへと帰る旅の途中で物語は始まります。イラクの宿泊所で足止めになりどこへも行けなくなった彼女は、これまでの自分を家族との関係から考え直していき・・・。再会した旧友のブランチとの会話が重要な役割となり、殺人も誘拐も起きませんが、どこか謎解きのような流れも感じます。ちなみに原題はAbsent in the Springで、シェイクスピアのソネット(十四行詩)の一節、From you have I been absent in the springからとられています。邦題は訳者の中村妙子さんによるもの。美しいタイトルに惹かれた人はぜひ。読み進めると、ある意味、ホラーかもしれませんけれど!

 

ヘルマン・ヘッセ著

『春の嵐 ゲルトルート』(1950)新潮文庫

青春時代、ヘルマン・ヘッセの作品にのめり込んだ時期がありました。ヘッセといえば『車輪の下』や『デミアン』が有名ですが、私の場合は『春の嵐』がとくに好きで持ち歩くほどでした。なぜでしょう?その疑問と「春」のお題を胸にストーリーを紐解いてみるのも今の自分にとって大切なことかもしれません(これから再読します・・すみません)。

主人公は若い時に無茶をして身体障害を持ったクーン。音楽の道を志すなかで、友人のムオトというオペラ歌手、そしてクーンが愛したゲルトルートという女性(のちにムオトと結婚する)との三角関係に苦しみます。

春の風は優しい風ばかりではありません。春一番は「チコちゃんに叱られる」によれば、死を招くほどの突風。とすれば、春の嵐とは?

海外では、主人公の想い人ゲルトルートが表題になっているそうです。

 

山本健吉編

『日本の名随筆17  春』(1984)作品社

作品社のシリーズ「日本の名随筆」を揃えるのが夢で、毎月2冊ずつ、時に古本屋で見つけたものも含めてコツコツ買い揃えていきました。100冊揃ったときの感激は今でも忘れられません。

折々にテーマごとに編集された名随筆を楽しんでいるのですが、その17番目のテーマが「春」。ところが今回開いてみたら新品同様の綺麗さに驚きました。つまり揃えたことに満足して「春」は未開封でした(笑)。

でもやはり、名随筆。どのページを開いても素敵な文章に出会えます。〈新年〉と〈春〉の章があり、〈春〉には串田孫一、篠田桃紅、河井寛次郎、中村汀女、井伏鱒二、森茉莉など30数名の書き手の名前が並びます。

ちなみに本の冒頭には詩(山村暮鳥作)が・・・。

いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな・・・。

いちめんのなのはな、という9文字の行に埋もれるようにして入っている言葉は・・・。かすかなるむぎぶえ、ひばりのおしゃべり、やめるはひるのつき。

春の気配を、ひらがなにみちた言葉の草原で味わえます。

 

(スタッフN&C)

 

 

 

 

 

皆さま、こんにちは。新型コロナウイルスの影響で思いがけない時間を過ごしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)でも、所長の在席率?が珍しく高く、思いがけない日々となっています。感染の終息を願うばかりですが、普段とは違う時間のなかで、さまざまな考えを進めておくことも大切ですね。

さて、少し遅くなりましたが、所長が現在連載中の情報誌、加工技術研究会発行のコンバーティング総合情報誌『コンバーテック』(2020年2月号)が発行されましたのでお知らせします。守富所長は「炭素繊維強化プラスチックの応用の現状と将来展望」をテーマに6回の連載を担当しています(今号で4回目)。これまでCFRP/CFRTPについて、現状の成形手法や海外のアプリケーション市場動向、またリサイクル技術の概要などを紹介してきましたが、今号から数回にわたり、日本国内のリサイクル技術・市場の現況や課題を掘り下げていく予定です。引き続き、ご興味のあるかたにお読みいただければ幸いです。

以下は、『コンバーテック』本誌にも記しました守富所長からのメッセージです。

***

「CFRP/CFRTPのサーキュラーエコノミー実現に向けた関連企業交流会を構想しています」

日本ではCFRP/CFRTPのリサイクルについて、リサイクル技術自体は有望な技術が登場してきていますが、廃材の回収方法や再生材の用途などについて、多くの課題が山積しています。そもそもCFRP/CFRTPのバージン材の利用も、海外に比べて市場成長の規模が小さく、必然的に、リサイクル市場の立ち上がりの時期の予測が困難になっています。

そこで、CFRP/CFRTPに関連する川上から川下までの企業の皆様にお集まりいただき、市場の活性化やリサイクル手法、再生CFの応用展開などについて、ざっくばらんに意見を交換できる交流会の開催を構想しています。

具体的には市場の最新情報をお伝えする講演を行うほか、参加者の方々にグループに分かれてもらい、自社技術の紹介や市場への要望などについて意見を交わしていただき、各グループの人員を入れ替えながら、関連各社間でのコミュニケーションを深めていただこうというものです。

こうした取り組みを通じ、企業間のビジネスマッチングの促進や課題の共有化が進むことで、バージンCFRP/CFRTPの使用から廃棄、リサイクルまでのサーキュラーエコノミー実現に向けた足掛かりが生まれることを期待します。

今は構想段階ですので、ぜひ、皆様から講演会で取り上げて欲しいテーマや、企業間コミュニケーションの方法について、奇譚のないご意見をお寄せいただきたく存じます。よろしくお願い申し上げます。

***

上記につきましてメッセージやご意見等をお寄せくださる場合は、本ウェブサイト内「問い合わせ」フォームをご利用くださいますようお願いいたします。

(スタッフC)

皆さま、こんにちは。守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)は4月で早くも2歳。生まれたての時、1歳の時より少しはツブヤキもできるようになっているかもしれぬと、このたび守富寛所長のつよ〜い希望により、ツイッターを始めることにしました。

ウェブサイトをご覧くださっている皆さまと少しでもコミュニケーションできればうれしく思います。

といいましても、ブログ「ウカンムリ日記」も日記とは言えぬ感じですので、ツイッターの歩みものんびりになりそう。コッソリヒッソリゆっくりじっくり。続けるために、始めてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

ミールのツイッター

 

(スタッフC)

写真は先日のバレンタインデーに、スタッフNさんからのチョコを皆で分かち合ったときの思ひ出として。武将とチョコ一粒の関係性にイメージを膨らませ盛り上がりました(笑)。

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