ウカンムリ日記>>コンソシアムハブ
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皆さま、こんにちは。雨模様の金曜日、いかがお過ごしでしょうか。

本日は、守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)の守富寛所長が執筆いたしました「炭素繊維強化プラスチックの応用の現状と将来展望」(コンバーティング情報誌『コンバーテック』)の連載が無事に一区切りとなり、2020年6月号にて第6回「今後のリサイクル技術の課題と展望」を掲載していただきましたのでそのお知らせです。編集のご担当者さまには大変お世話になりました。いつもながら原稿の締め切りにご配慮くださり、本当にありがとうございました。長きにわたり、関心をお寄せくださった読者の皆さまにも心よりお礼申し上げます。

さて、今回の内容はこれまでの連載のまとめとして整理しつつ、今後のリサイクル技術の課題と展望について個人的見解をあわせて述べました。リサイクル炭素繊維の研究開発に関わって10年近く経ち、その間に多くの方々からリサイクル炭素繊維の需要拡大になかなか結びつかない理由が寄せられているということで、それは以下の7つに集約されています。

(1)炭素繊維はリサイクルできない。排出量は少なく、産廃業者は埋め立てに回している。(2)環境に良いことは理解できても、入手先も出口用途もわからない。リサイクル炭素繊維の品質と価格が曖昧で品質保証してほしい。(3)最終ユーザーの採用意向がなく、中間基材メーカーとしては手が出せない。(4)産業資材やインフラ整備資材として使用する場合の安定供給に不安がある。(5)切断繊維は粉塵が多く発生し、作業環境の改善のための設備や新たな場所の確保が必要となり、リサイクル炭素繊維価格だけでは判断できない。(6)リサイクル炭素繊維を利用した場合、材料設計ができる人材がいない。(7)目的に合わせた既設設備(たとえばバージン炭素繊維の設備)が利用できない。

思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。

こういった課題問題を理解しあい、リサイクル炭素繊維の需要拡大に向かうためには、各社が水面下で独自開発を進めるよりは、川上、川中、川下の関連業界団体あるいは企業が情報を共有し、需要拡大のためのコンソーシアムを形成すること。川に流れる水量を増やし、川幅を大きくすべきであり、そのために「相互乗り入れすべき時」と守富は考え、意見交流の場が立ち上がることを期待しております。

今後も機会をいただきながら、新たな動きなどをご紹介できればと考えています。ご質問等、お問い合わせは本ウェブサイトのお問い合わせフォームをご利用ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

〈追記〉

『コンバーテック』2020年6月号に「在宅勤務中の記者が目にした、感じた日常生活」と題した記事の続編があり、緊急事態宣言発令24日目から47日目まで時系列にレポートされていて、とても興味深く身近に感じました!仕事をしながらも、食べることや育児、家事とさまざまな面を持っていろいろな場所で暮らす私たち。ほっとできることが増えていくといいですねー。(スタッフC)

 

 

 

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