ウカンムリ日記
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日頃は、守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)のホームページ、ブログ、ツイッターにご訪問くださりありがとうございます。所長の守富寛です。ミールはおかげさまで4月18日に開設2年という節目を迎えることができました。皆さまのご支援ご理解に感謝申し上げます。

今年はゴールデンウィークならぬ、我慢ウィークとも言われるGWが始まろうとしています。昨年の今頃は元号が変わるタイミングでした。令和という言葉の響きから、これから始まる新しい時代への期待を誰もがみずみずしく膨らませていたことを思いますと、今年と昨年では随分違うことに驚きます。

陽気に満ちた外なのに、心のうちは雲が占めています。私たちみんなに与えられた厳しい時を、みんなで乗り越えられることを信じたいものです。

今年の設立記念日のご挨拶に添えたい、英語のことわざを探してみました。

Every cloud has a silver lining.

liningは洋服の裏地で、「どんな雲にもシルバーの裏地がついている」という意味のようです。銀の裏地とは太陽の光のことでしょうか。

どんな雲にも向こう側には太陽が!雲を縁取るように見えるうっすらした光は、きっと、希望です。

困難な時も良い時につながっています。心は明るく、次の楽しみも考えて。

ともに頑張りましょう。コロナに負けるな!!

 

3年目のミールもどうぞよろしくお願いいたします。

 

守富環境工学総合研究所

所長 守富寛

 

(写真はスタッフN)

JR岐阜駅前に立つ黄金の信長像が昨日28日よりマスク着用開始!新聞記事によれば地上11メートルの口元に高所作業車に乗って係員がかけたマスクのサイズは縦18センチ×横30センチ。マスクは岐阜ファッション産業連合会が寄付したそうです!GW中、着用予定ですが、その後も洗って再利用してほしいですね。

さらに、岐阜市で医療従事者への感謝の気持ちを表すライトアップもこの日からスタート。夜には岐阜城や信長のいるこの広場が青色に照らされます。コロナに負けるな!!が最近の挨拶言葉になっている所長の誕生日も昨日の28日でした。願いが通じますように。

2020 年 3 月 29 日

読んでミール?vol.6 〜春〜

皆さま、こんにちは。

今日はミール風ブックトーク「読んでミール?」の第6弾をお届けします。

テーマは「春」。このところは新型コロナウイルスの感染拡大におびえて心身縮まる思いですが、一冊の本のなかへ旅して小さな楽しみ、救いや支えを見つけてみてはいかがでしょうか。

今回もブックトーカーふたりのこころの本棚から3冊ずつ、ご紹介します。

第6弾「読んでミール?」の始まり、はじまり。

 

Book Talker Naomi***

 

「春」と言えば「桜」ですね。桜にまつわる3作を選んでみました。

①辻村深月著
『ツナグ 想い人の心得』(2019)新潮社

以前のブックトーク、テーマ「人とのつながり」でご紹介した「ツナグ」という本、これは最近出版されたその続編です。
一生に一度だけの死者との再会を叶える使者「ツナグ」を引き継いだ歩美の7年後の話です。
待望の続編は私なりに色々予想していましたが、それを軽く超える驚きと感動の話ばかりです。その中でも今回副題になっている「想い人の心得」の話は、とても心に染みる秀作だと思います。
それは断られても断られても一人の死者への面会の依頼を繰り返す蜂谷という人の話です。
奉公に上がった先のお嬢様で重い喘息を患って16才で亡くなった絢子さま。
桜が好きで毎年春を待ちわびていたお嬢様に桜を見せたくて、蜂谷は40代から何度も依頼を続け、命も尽きようとしている85才でやっと会う事が叶う。
そして、美しくも気が強い絢子が桜を見て発した素直で可憐なため息…。
想い人が幸せな気持ちになることこそが、自分の幸せという究極の「想い人の心得」を学びました。

 

藤沢周平著
『山桜』 新潮文庫『時雨みち』(1984)に収録

この作品は藤沢周平の短編です。
ひと枝の山桜が縁で知りあった野江と弥一郎。野江にとって弥一郎は以前再婚相手にと持ち込まれた中の1人だった。婚家で辛い思いをしていた野江にとっては「もっと別な道があったのに…」と思わずにはいられない。
それが正義の為に刀をふるって捕まった弥一郎の話を発端に離縁する事になり…別な道へと歩きはじめる野江。
田中麗奈と東山紀之出演で映画にもなり、山桜のとても美しい映像が印象的に映し出されたのが目に焼きついています。
はかなげに見えて凛とした美しさを持つ山桜のような野江を応援したいです。

 

須賀しのぶ著
『また、桜の国で』(2016)祥伝社

1938年ポーランドの日本大使館に着任した外務書記生の棚倉慎の話です。
ナチスドイツ侵攻の緊張が高まる中、戦争回避にむけ奔走するも戦争勃発。
ロシア人の父と日本人の母を持つ慎は、見た目は日本人には見えない日本人。
その慎とドイツ生まれのユダヤ系ポーランド人、シベリア生まれのアメリカに国籍を持つポーランド人という奇妙な組み合わせの3人はドイツ軍が迫る中を逃げていた。
絶体絶命の中、2人を逃す為にオトリになろうとする慎。その時に3人で最後に交わした約束が「いつか必ず、3人で日本の桜を見よう」です。
平和の象徴のような美しい日本の桜。
それを夢見た若者たちの姿に心を揺さぶられます。
今の日本はコロナウイルスの影響でゆっくりお花見も出来ない状況ですが…来年までには平和な日常を取り戻し、美しい桜の下で楽しく語らう事を夢みながら今を頑張っていきたいですね。
桜にまつわる小説でも読みながら…。

 

Book Talker  Chie***

タイトルに「春」が入っている本を選んでみました!

アガサ・クリスティー著

『春にして君を離れ』(1973)ハヤカワ文庫

ミステリー作家として有名なアガサ・クリスティーが1944年にメアリ・ウェストマコットの名前で発表した作品で、非ミステリーに分類される作品のうちの一つ。あとがきによると、この話のテーマはクリスティーが何年もの間こころのなかで追い続けてきたもので、いざ取りかかると一週間で書き上げたと述べているのも興味深いところです。

主人公は弁護士をしている優しい夫と一男二女に恵まれ、良き妻、良き母として生きてきたと自負する女性ジョーン。結婚している二女の見舞いのために訪れたバグダットからイギリスへと帰る旅の途中で物語は始まります。イラクの宿泊所で足止めになりどこへも行けなくなった彼女は、これまでの自分を家族との関係から考え直していき・・・。再会した旧友のブランチとの会話が重要な役割となり、殺人も誘拐も起きませんが、どこか謎解きのような流れも感じます。ちなみに原題はAbsent in the Springで、シェイクスピアのソネット(十四行詩)の一節、From you have I been absent in the springからとられています。邦題は訳者の中村妙子さんによるもの。美しいタイトルに惹かれた人はぜひ。読み進めると、ある意味、ホラーかもしれませんけれど!

 

ヘルマン・ヘッセ著

『春の嵐 ゲルトルート』(1950)新潮文庫

青春時代、ヘルマン・ヘッセの作品にのめり込んだ時期がありました。ヘッセといえば『車輪の下』や『デミアン』が有名ですが、私の場合は『春の嵐』がとくに好きで持ち歩くほどでした。なぜでしょう?その疑問と「春」のお題を胸にストーリーを紐解いてみるのも今の自分にとって大切なことかもしれません(これから再読します・・すみません)。

主人公は若い時に無茶をして身体障害を持ったクーン。音楽の道を志すなかで、友人のムオトというオペラ歌手、そしてクーンが愛したゲルトルートという女性(のちにムオトと結婚する)との三角関係に苦しみます。

春の風は優しい風ばかりではありません。春一番は「チコちゃんに叱られる」によれば、死を招くほどの突風。とすれば、春の嵐とは?

海外では、主人公の想い人ゲルトルートが表題になっているそうです。

 

山本健吉編

『日本の名随筆17  春』(1984)作品社

作品社のシリーズ「日本の名随筆」を揃えるのが夢で、毎月2冊ずつ、時に古本屋で見つけたものも含めてコツコツ買い揃えていきました。100冊揃ったときの感激は今でも忘れられません。

折々にテーマごとに編集された名随筆を楽しんでいるのですが、その17番目のテーマが「春」。ところが今回開いてみたら新品同様の綺麗さに驚きました。つまり揃えたことに満足して「春」は未開封でした(笑)。

でもやはり、名随筆。どのページを開いても素敵な文章に出会えます。〈新年〉と〈春〉の章があり、〈春〉には串田孫一、篠田桃紅、河井寛次郎、中村汀女、井伏鱒二、森茉莉など30数名の書き手の名前が並びます。

ちなみに本の冒頭には詩(山村暮鳥作)が・・・。

いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな・・・。

いちめんのなのはな、という9文字の行に埋もれるようにして入っている言葉は・・・。かすかなるむぎぶえ、ひばりのおしゃべり、やめるはひるのつき。

春の気配を、ひらがなにみちた言葉の草原で味わえます。

 

(スタッフN&C)

 

 

 

 

 

皆さま、こんにちは。新型コロナウイルスの影響で思いがけない時間を過ごしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)でも、所長の在席率?が珍しく高く、思いがけない日々となっています。感染の終息を願うばかりですが、普段とは違う時間のなかで、さまざまな考えを進めておくことも大切ですね。

さて、少し遅くなりましたが、所長が現在連載中の情報誌、加工技術研究会発行のコンバーティング総合情報誌『コンバーテック』(2020年2月号)が発行されましたのでお知らせします。守富所長は「炭素繊維強化プラスチックの応用の現状と将来展望」をテーマに6回の連載を担当しています(今号で4回目)。これまでCFRP/CFRTPについて、現状の成形手法や海外のアプリケーション市場動向、またリサイクル技術の概要などを紹介してきましたが、今号から数回にわたり、日本国内のリサイクル技術・市場の現況や課題を掘り下げていく予定です。引き続き、ご興味のあるかたにお読みいただければ幸いです。

以下は、『コンバーテック』本誌にも記しました守富所長からのメッセージです。

***

「CFRP/CFRTPのサーキュラーエコノミー実現に向けた関連企業交流会を構想しています」

日本ではCFRP/CFRTPのリサイクルについて、リサイクル技術自体は有望な技術が登場してきていますが、廃材の回収方法や再生材の用途などについて、多くの課題が山積しています。そもそもCFRP/CFRTPのバージン材の利用も、海外に比べて市場成長の規模が小さく、必然的に、リサイクル市場の立ち上がりの時期の予測が困難になっています。

そこで、CFRP/CFRTPに関連する川上から川下までの企業の皆様にお集まりいただき、市場の活性化やリサイクル手法、再生CFの応用展開などについて、ざっくばらんに意見を交換できる交流会の開催を構想しています。

具体的には市場の最新情報をお伝えする講演を行うほか、参加者の方々にグループに分かれてもらい、自社技術の紹介や市場への要望などについて意見を交わしていただき、各グループの人員を入れ替えながら、関連各社間でのコミュニケーションを深めていただこうというものです。

こうした取り組みを通じ、企業間のビジネスマッチングの促進や課題の共有化が進むことで、バージンCFRP/CFRTPの使用から廃棄、リサイクルまでのサーキュラーエコノミー実現に向けた足掛かりが生まれることを期待します。

今は構想段階ですので、ぜひ、皆様から講演会で取り上げて欲しいテーマや、企業間コミュニケーションの方法について、奇譚のないご意見をお寄せいただきたく存じます。よろしくお願い申し上げます。

***

上記につきましてメッセージやご意見等をお寄せくださる場合は、本ウェブサイト内「問い合わせ」フォームをご利用くださいますようお願いいたします。

(スタッフC)

皆さま、こんにちは。守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)は4月で早くも2歳。生まれたての時、1歳の時より少しはツブヤキもできるようになっているかもしれぬと、このたび守富寛所長のつよ〜い希望により、ツイッターを始めることにしました。

ウェブサイトをご覧くださっている皆さまと少しでもコミュニケーションできればうれしく思います。

といいましても、ブログ「ウカンムリ日記」も日記とは言えぬ感じですので、ツイッターの歩みものんびりになりそう。コッソリヒッソリゆっくりじっくり。続けるために、始めてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

ミールのツイッター

 

(スタッフC)

写真は先日のバレンタインデーに、スタッフNさんからのチョコを皆で分かち合ったときの思ひ出として。武将とチョコ一粒の関係性にイメージを膨らませ盛り上がりました(笑)。

皆さま、こんにちは。

今日はミール風ブックトーク「読んでミール?」の第5弾をお届けします。

テーマは「ねこ」。その理由はミールのマスコット・黒猫のミールに敬意を表して(というのと、ブックトーカーのふたりが猫大好きだから!)です。

ねこをテーマに決めたのはいいのですが、好きとはいえ、やはりあちこち迷い道は毎度のこと。何か月もかかってしまいました。今回もブックトーカーふたりのこころの本棚から3冊ずつ、ご紹介します。

第5弾「読んでミール?」の始まり、はじまり。

 

Book Talker Naomi***

佐野洋子著
『100万回生きたねこ』(1977)講談社

100万年もしなないねこ。
100万回もしんで、100万回も生きた、とらねこのお話です。
100万回の様々な人生(猫生)を送ったねこが100万回目を最後に生き返るのをやめたのは?
これは大人の為の絵本では?と思うほど胸にせまってくる絵本です。
その証拠にこの絵本を愛してやまない13人の著名な作家達(谷川俊太郎・角田光代・工藤直子・江國香織など)が思わずオマージュするような短篇を書いてしまったというのが…
『100万分の1回のねこ』(2015)精興社です。
併せて読んでいただければ2倍…いえ13倍楽しめます。

角野栄子著
『魔女の宅急便(全6巻)』(1985〜2009)福音館書店

このお話は映画で有名ですが、映画で描かれたのは実は始まりのほんの一部分。そこから主人公のキキが宅急便の仕事を通して様々な経験をしながら成長し、やがて結婚して母親となり子供の成長を見守るまでが6冊に渡り描かれています。
そしてその中で重要な役割を担っているのが黒猫の存在です。
魔女に子供が生まれると必ず生涯の友である黒猫があたえられます。キキも自分の双子の子供達に1匹ずつ与えます。
飛ぶ魔力が備わっているけど魔女として生きる事を迷っている女の子と飛びたいと願いつつも飛ぶ魔力のない男の子…そんな2人ですが黒猫と会話する力だけは均等に備わっていました。
そしてそれぞれの道に向かって黒猫と一緒に旅に出る2人…それはかつてのキキと黒猫ジジのようです。

工藤直子著
『ねこ はしる』(1989)童話屋

これは捕食関係にある子猫と魚の間に芽生えた不思議な友情とその成長を描いた作品です。
それを見守るのは「野ウサギ母さん」や「おたまじゃくしからのつきあいの蛙」「昼寝をしていた蟻」「通りがかったみつばち」などだけでなく、「野原に立つケヤキの木」や「ゆれるススキたち」「水底の石」「太陽」「風」など自然の中にあるもの全てに語らせる事の出来る工藤直子さんならでは個性豊かな脇役達です。
命の尊さを考えされられ…大人にも子供にも是非読んで欲しい作品です。

 

Book Talker  Chie***

 

宮沢賢治作

『猫の事務所』(1983)パロル舎

宮沢賢治ファンにとってこの本はどのような位置付けなのでしょうか。猫好きの私としましては、猫の生態をたくみに匂わせつつ、本当は人間界のいじわるなこころを詰め込んだお話、というふうに感じます。

舞台は猫の第六事務所。「ここは主に、猫の歴史と地理をしらべるところ」で、職員は事務長(黒猫)と一番書記(白猫)、二番書記(虎猫)、三番書記(三毛猫)、四番書記(かま猫)の計5名。かま猫とは皮膚がうすいので寒がりでどうしてもカマドに体をつっこんで寝てしまうため、いつも煤で汚れた猫のことをいうのですが、物語の主人公がこのかま猫です。

書記は知的職業で、一般の猫から羨望の目でみられるエリート。その狭き門を最後にくぐりぬけた、いわゆる新人書記のかま猫は40人の中から選ばれたという超エリートです。

そのようなかま猫は優秀で気遣いがあるゆえに、先輩書記に嫉妬され、事務長には誤解されてしまう。先輩たちのいじめの手口は、猫の無軌道なノビやらアクビやらの呑気さとは裏腹に陰湿です。最後は思いがけない展開で事務所は閉鎖してしまうのですが・・・。

物語のディテールをのぞくのも面白いです。猫は何人、と数えられ、優秀なかま猫の仕事ぶりは、質問にすぐに答えるため「かま猫はもう大原簿のトバスキーとゲンゾスキーとのところに、みじかい手を一本ずつ入れて待っていました」と、事務長らがその周到ぶりに感服する場面があります。そう、猫は、完全なる人扱いです。

ところで、この本の名朗読に長岡輝子さんによるものがあります。東北弁のイントネーションで語られるお話に聴き入ると、いじめの過程が滑稽で・・。そもそもいじめは滑稽な世の姿、という気もしてくるのは不思議です。

長岡さんの「原簿、原簿(ゲンボ、ゲンボ)」という声が可愛くて・・・。ちなみに原簿は書記猫にとって知のシンボル。先輩猫にいじわるをされて、取り上げられた原簿にも意味を感じます。ぜひ朗読での読書もおすすめします。

 

大佛次郎著

『猫のいる日々』(1978)六興出版

猫と作家は切っても切れない間柄。内田百閒先生の『ノラや』は飼い猫が失踪したのを悲しむあまり猫探しにのめり込む老作家(ご本人)のお話ですし、夏目漱石は猫好きかどうは不明なれど、猫の目線で小説を書き、これにより職業作家となりましたし、猫を描いた絵も残っています。脚本家の向田邦子さんの愛猫マミオは、彼女が旅先のタイのバンコックでひとめぼれして我が家に迎え入れた猫でした。

『鞍馬天狗』など歴史小説で名を馳せた大佛次郎も並外れた猫好き。猫を題材にしたエッセイや物語を多く残しており、没後『猫のいる日々』が出版されました。どのお話も猫好きには心地よく楽しいものですが、童話『スイッチョねこ』は、虫を飲み込んだ子猫・白吉の苦悩と、不思議な安らぎを猫の気分になって読めるお話です。スタッフNさんのおすすめ『ねこはしる』に登場する猫と魚の関係性にも似ていながら、視点が違えば、このようなファンタジーにもなるんだなあと感じる本でもあります。

大佛次郎の名文は童話の世界でも素敵です。最後のほうにこんな一文が待っています。

「しかし、じょうぶで生きていれば、この世の中がどんな時もたのしいし、よいものだと知っていましたから、朝起きるのをたのしみに、ぐっすりと、よくねむるのでした。いつも目をさますと、きのうとちがう新しい朝がきています」。

子猫も尊い日々を懸命に生きながら、いつもいつも、新しい今日を迎えているのですね。そう、私たちも!

 

ハンス・フィッシャー文・絵 石井桃子訳

『こねこのぴっち』(1954)岩波書店

ねこの絵本は数々あります。あると思います。けれども、私の書架にずーっと居続けてくれるこの本は、やはり絵の可愛らしさが特別で、どうしてもおすすめしたい一冊です。ハンス・フィッシャーは『ブレーメンのおんがくたい』の絵でも知られるドイツの作家です。

さて、主人公であるぴっちという子猫は、他の兄弟猫とは違う行動をします。その理由は、にわとりやヤギといった他の動物に会うたびに、彼らになってみたいという憧れがこころいっぱいにあふれるから・・・。

この本を眺めていると、出会うお友達は猫とは限らないと知り、自分を猫と決めつけない、というこころの柔らかさに驚きます。スウェーデン人作家のアストリッド・リンドグレーンが描く世界一強い女の子の物語『長くつ下のピッピ』の自由さも、ふと思い浮かべたりもします。

ぴっちとピッピ。似た者どうしかな(笑)。

 

(スタッフN&C)

 

 

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