皆さま、こんにちは。朝晩は涼しくなり、空を見上げれば、夏と秋の雲が行き合う素敵な季節ですね。
心地いい風に誘われてちょっとお散歩でも、いえいえ、探検でも。外へ出かければ、思いがけない発見が待っていそうです。
ところで唐突ですが、最近ほんの少し調べる機会のあった「古墳」について。
古墳は3世紀から7世紀にかけてつくられたお墓のことですが、このところちょっと注目されているようですね。世界最大級の墳墓である仁徳天皇陵を含む「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪府)が世界文化遺産に登録されることが決定したのは今年7月のニュース!ちなみに日本全国にある古墳の数は15万基以上(古墳は「基」で数えるそうです)。コンビニ店舗数の約3倍というから驚きます。つまり古墳はとっても身近な歴史的遺産なのです。
守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)のある岐阜市内にも琴塚古墳という国史跡がありますし、お隣の名古屋市には志段味古墳群というのがあり今年4月に「体感!しだみ古墳群ミュージアム」がオープンしたばかり。まずは身近な場所で、前方後円墳や円墳、方墳などのカタチ、造築の年代を確かめながら見るのも楽しそう。高層ビルも鉄道もないのびやかな景色のなかで築かれた古墳。その古墳づくりに携わった人の気力や知力に思いを馳せるのに、秋の澄んだ空の下はぴったり!です。
写真は某大学内にある5世紀に築造されたという古墳。古墳時代に生きた人々がつくったお墓と、未来を担う学生がキャンパス内で同居しているのは何とも面白いですね。古墳に登ると「留年する」という言い伝えがあるとか、ないとか・・・。秋は、学業に勤しんでいただきたい季節でもありますね。
(スタッフC)
皆さま、こんにちは。
お待たせしました!(お待ちいただいていないかもしれませんが・・・)ミール風ブックトーク「読んでミール?」の第三弾をお届けします。
今回のテーマは、ミールの仕事の4つの柱のうちの「エネルギー」について。このテーマをどうとらえたらいいのかとブックトーカーの二人はそれぞれ楽しみながら悩みまして、それぞれの心の本棚から、もしくは近くの図書館の書架から選んだものを3冊ずつご紹介いたします。前回のブックトークにスタッフCが「料理本」を出したことに「その手がありましたか〜」と考えたスタッフNの選んだ本のバラエティ感にもご注目ください。
それではスタート!
Book Talker Naomi***
①
長谷川摂子・文 なかがわまさこ・え
『ぐやんよやん』(1999)福音館書店
この絵本に出会ったのは図書館。小さな子供の為の読み聞かせを覗いた時です。まさに地球が誕生する時の様子を描いたような不思議な絵に「ぐやんよやん」をはじめ「じんじじんじずー」とか「どんでがんでぽっくぽく」といった不思議な擬音のオンパーレード。これこそ子供が地球にある「エネルギー」を初めて感じる絵本ではないかと衝撃を受けました。
実はこの時の本がどんなタイトルの本だったかを探し出せずにいたのですが、ずいぶん時間が経ってから図書館の司書さんに尋ねたところ判明しました!(さすが司書さん、ありがとうございました)
②
マーガレット・ミッチェル・作
『風と共に去りぬ』(原書1936年出版)
○大久保康/竹内道之・訳 河出書房新社(後に新潮社からも)
○鴻巣友季子・訳 新潮社
○荒このみ・訳 岩波書店
「エネルギー」が溢れる人物を考えた時、高校時代に図書館で借りて夢中になって読んだ「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラを思い出しました。
レット・バトラーとの愛のゆくえも気になりましたが…やはり何度も挫けながらも立ち上がり前に進もうとするスカーレットの燃えるような「エネルギー」にとても魅力を感じました。
そして大人になって自分でこの本を手に入れた時はとても嬉しく…好きが高じて遂には続編「スカーレット」も買ってしまいました。別の方が書いた続編については賛否両論ありますが…これだけの作品を書く彼女もとてもエネルギーのある方だったのだと感じました。
(参考)「スカーレット」アレクサンドラ・リフリー・作(原書1991年出版)
森瑤子・訳 新潮社(今は絶版)
③
手塚治虫・作
『火の鳥』全12巻(1954〜1986年出版) 朝日新聞出版、角川書店他
何でもありのブックトークの最後は漫画の登場です。
「エネルギー」と言えばやはり燃える繋がりの「火の鳥」と実は1番先に思いつきました。
学生時代に読みましたが…最近思いたってまた1巻から13巻全部読み直しました。(時代は黎明期・未来・大和・宇宙…と順不同に進みます)
「火の鳥」は100年に一度みずからを火で焼いて再生しながら生き続けます。そしてその血を飲めば永遠の命が与えられるという事で欲にかられた人間がつけ狙い命を落としていくという「人間の業」と「生命について」を古代から未来に渡って問いかける作品です。
人は「エネルギー」は永遠にあると思い、自分達の為に無駄に使い続けて…今やっと限りがある事に気付きました。
私達がいま出来ることは「エネルギー」を枯らす事ではなく…未来の子供達の為に「エネルギー」を残すこと、再生すること、そして環境に害を及ぼさない新しいクリーンな「エネルギー」を作っていく事かと思います。
人・動物・魚・植物などの全ての「生命」の為に頑張りたいですね。
Book Talker Chie***
(1)
作・LaZOO 絵・山内和朗 監修・環境情報普及センター
『エネルギーがもったいない』(2007)学習研究社
この本は守富環境工学総合研究所(Meel:ミール)のホームページづくりをウンウン唸って試行錯誤していた頃、環境って何?エネルギーとは?とあらためて、かつ、シンプルに考えたくて、「絵本」に救い?を求めていた時期に出会った一冊です。
「カンシャの気持ちを育てる本 もったいないからはじめよう!」というシリーズの第6巻にあたるこの本では「エネルギーはごはんだよ」の一言から始まり「ごはんを食べなきゃ、体は動かない」となり、「物だってごはんを食べなきゃ動かない」と続いて、「物のごはんは、石油や電気やガス」「石油やガスは使えばいつかなくなります」とつながっていきます。
シンプルな言葉と温かみのある絵が「大事だなー」と思えることを伝えてくれている感じ。では、大事だなーと感じる心を、私たちはどう大切にしたらよいのでしょう。
監修された原陽司さんの言葉も素敵です。「モノに対する尊敬と感謝の気持ちを持って生きることは、取りも直さず、地球に優しく生きることにほかならないのです」。
大事だなーって思える心の「根っこ」が、感謝の気持ちだったらいいですね。それが地球の一員である証だったらいいですね。
(2)
桑子敏雄著
『何のための「教養」か』(2019)ちくまプリマー新書
「根っこ」。地中に張り、地上の幹や枝や葉や花を支える存在。この言葉を使うときに思い浮かべる哲学者がいます。桑子敏雄さんの近著『何のための「教養」か』では、人間を一本の木にたとえるならば、その根っこにあたるのが教養であると語られているのが印象的。この本では哲学者、そして東京工業大学を軸とする大学教師としての日々と並行し、時代ごとに求められた「教養」について展開されています。
『環境の哲学』(1999)が建設省に注目され、ダム建設や河川改修など公共事業の合意形成に関わるようになった“地を這う哲学者”ともいわれる桑子先生のエネルギーが静かに染み込んでくる本。高校の国語の教科書に掲載されるなど名文家らしい魅力もあふれています。
(3)
伊藤親臣著
『空から宝ものが降ってきた!』(2016)旬報社
「エネルギー、エネルギー!」と考えながら、お得意の図書館の児童書コーナーで見つけた本。思わず、雪の研究で世界的に有名な中谷宇吉郎先生(1900〜1962)の名言「雪は天から送られてきた手紙である」を思い出したタイトルでした。
この本は、雪のエンジニアとして「利雪」に取り組む著者が日本の特徴でもある雪の多さを日本で活かそうと、日本人と雪の関係をはじめ、世界初となる雪冷房の学校や、お米を貯蔵する雪冷蔵倉庫など、これまでの取り組みを順序立てて説明してくれる楽しい本です。
雪というエネルギー。日本は雪の多い地域が多いこと、雪の多い地域に人が多く住んでいることが世界的に珍しいという点にも、あらためてびっくり!まだまだ暑い秋の始まりに、空からのひんやりした宝物について思いを巡らせてみませんか。
写真はブックトーカーの二人がよく通う図書館。空の雲も綺麗です。秋ですね〜。
(スタッフN&スタッフC)
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